絵を描く事が大きらいだったという南さん。そんな南さんが絵が好きになったきっかけは、順教先生に口で絵を描く事を教わり、はじめて絵を完成させた事だった。それは南さんにとって大きな自信となった。

それから、学校では美術部に入り、放課後はデッサン、水彩、油絵、パステル、日本画などあらゆる教室に通い絵を勉強するようになる。口で絵を描き始めてから2年後、堺市展に初出品し入選、以後、毎年入選するようになった。順教尼は、南さんの絵の才能を見抜いていたのだろうか。南さんの活動を支えてくださっている「口と足で描く芸術家協会」の木内氏は、はじめて南さんの絵をみたとき、「この子はいい絵を描くなぁと思っていました」と語られている。

日本画の繊細な表現や美しさに魅かれ、高校卒業後、師匠について日本画を本格的に学びはじめる。その後、口と足で描く芸術家協会の皆さんをはじめ多くの方のご支援で画家として活動させていただくようになっていった。

南さんの描く絵は、花の絵が多い。明るく優しく見る人の心をあたたかくしてくれる。

 

目次へ    第5章 家族