結婚なんてできないかな・・と思っていた南さんが、心かよわす女性に出会った。大学を卒業したばかりの彼女と結婚をしたいとご両親に挨拶に伺う。絶対に反対をされるだろうと思っていたけれど、ご両親はふたりを認めてくれた。

やがて子供が生まれ、父親になった。「父親らしくいてほしい」奥さんの言葉もあり、お風呂にいれたり、オムツを替えたりできることは何でも手伝った。そんな子供達も結婚し、子供をもつ年になった。昔、自転車の荷台にまたがって、自転車をおしてくれた南さんの姿を思い出すという。 その後、思いもよらず奥さんが42才の若さで癌の為に早すぎる生涯を終えらることになる。

 

悲しみの中、子供たちと三人で生きていこう。 掃除、洗濯、食事ずっと以前やっていたように一人でできる、南さんはそう決意した。そして、男三人の生活が始まった。

そんな姿を見かねて、南さんが母の様に慕っている方から「これから先まだまだ人生は長い、一人で生きるといわずに支えてくれる人を...」と縁談をすすめられた。南さんは、その事をきっかけに、「もし、もう一度だれかと生きていくならこの人と一緒に生きたい」と想う人の存在に気づく。それが弥生さんだった。二人をよく知るその方は、それならば・・・とお二人のご縁を結んでくださったそう。

そんな弥生さんとの生活も12年以上になる。いつも、自分を無にして、強く優しく南さんを支えている弥生さん、そんな弥生さんに感謝をしながら、自分にしか描けない絵を求めつづける南さん、お二人の存在そのものが、沢山の人に優しさやあたたかさや大切なものを教えてくれています。

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